はじめに:銀歯にさようなら、もっと自然な白い歯へ
「銀歯が目立つのが気になる」「被せ物の色が他の歯と合っていない」「もっと自然な見た目の歯にしたい」――
そんなお悩みを抱えて来院される方が、ここ数年で大きく増えてきました。
かつては金属を使った補綴物が主流でしたが、今や“
その中でも特に注目されているのが、ジルコニアと**e.max(イーマックス)**という2つのセラミック素材です。
本記事では、それぞれの特徴や違い、どんな方にどちらが適しているかを、歯科医師の視点から分かりやすくご説明します。
なぜ今、メタルフリーなのか?
メリット① 審美性の向上
金属を使用すると、歯ぐきの黒ずみや光の反射の違いで「いかにも差し歯」という印象を与えてしまうことがあります。
セラミックは光を自然に透過する性質があるため、天然歯に近い透
メリット② 金属アレルギーの回避
保険診療で使われる金属はニッケルなどの合金で、アレルギーを引き起こすこともあります。
メタルフリー素材はそういったリスクがなく、全身の健康にも配慮
メリット③ 歯ぐきとの調和
セラミックは歯周組織とよくなじみ、歯ぐきが健康的な色と形で保
ジルコニア vs e.max|2つの素材の特徴と違い
【ジルコニア】~強さと耐久性が魅力のセラミック~
- 酸化ジルコニウムを原料としたセラミック
- 非常に硬く、咬む力が強い方や臼歯部にも対応
- 最近では透明感のある「高透過ジルコニア」も登場
【e.max】~透明感と自然な美しさを両立~
- リチウムディシリケートガラスセラミック
- 非常に審美性が高く、前歯部の修復に最適
- 薄く作れるため、歯の削除量を抑えられる
比較表
| 特徴 | ジルコニア | e.max |
|---|---|---|
| 強度 | ◎(900〜1200MPa) | ◯(400〜500MPa) |
| 審美性 | ◯(ややマットな質感) | ◎(自然な透明感) |
| 適応部位 | 奥歯・ブリッジ・咬合力の強い方 | 前歯・小臼歯・審美重視の方 |
| 耐久性 | 非常に高い | 十分高い |
| 対合歯への優しさ | やや硬め(要研磨) | 自然な咬み合わせが可能 |
| 費用帯(目安) | やや高め | 同等またはやや安価 |
当院の考え方:素材選びも“パーソナライズ”が基本です
当院では、「ジルコニアが良い」「e.maxの方が上」という一律な判断はしておりません。
大切なのは、患者様一人ひとりの口腔環境・ご希望・
こんな方にはe.maxをおすすめ
- 前歯の色や透明感にこだわりたい
- 自然な笑顔を手に入れたい
こんな方にはジルコニアをおすすめ
- 奥歯でしっかり噛みたい
- 長期間の耐久性を重視
- 金属アレルギーやブリッジが必要
必要があれば、モックアップや仮歯での見た目のチェックも可能です。
よくあるご質問
Q. 保険の白い被せ物(CAD/CAM冠)とは何が違うのですか?
A. 保険のCAD/CAM冠は材料に限界があり、変色しやすく適応部位も限定されます。
一方、e.maxやジルコニアは長期的な安定性と審美性が高く、
Q. 保証制度はありますか?
A. 当院では補綴物に一定の保証期間を設けています(詳細はカウンセリング時にご案内いたします)。
まとめ:あなたに最適な“白い歯”を一緒に考えましょう
ジルコニアとe.max――どちらも優れた素材であることに違いはありません。
ただし、「誰にでも万能な素材」は存在しません。
大切なのは、
- 「どこに使うのか」
- 「どんな見た目を希望されているのか」
- 「どう咬んでいるのか」
という総合的な視点から、最適な素材を選び、最良の形に仕上げることです。
審美補綴は、歯を治すこと以上に「人生の質」を高める治療です。
見た目に悩んでいる方、違和感を抱えている方は、ぜひ一度ご相談ください。
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初診時には、現在の歯の状態や素材の特徴を分かりやすくご説明いたします。